問題1
特定疾病として正しいものを選択してください。
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
- 痛風
- 骨折を伴わない骨粗鬆症
- 閉塞性動脈硬化症
- 慢性腎不全
答えと解説
- ○ 筋萎縮性側索硬化症(ALS) - 正しい。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は特定疾病の一つです。
- × 痛風 - 誤り。痛風は特定疾病に含まれません。
- × 骨折を伴わない骨粗鬆症 - 誤り。特定疾病とされるのは「骨折を伴う骨粗鬆症」であり、骨折を伴わないものは該当しません。
- ○ 閉塞性動脈硬化症 - 正しい。閉塞性動脈硬化症は特定疾病の一つです。
- × 慢性腎不全 - 誤り。慢性腎不全は特定疾病に含まれません。ただし、糖尿病性腎症が進行した結果、透析が必要な状態などは特定疾病「糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症」に該当する可能性があります。
問題2
特定疾病に該当しないものを選択してください。
- 関節リウマチ
- 白内障
- 後縦靱帯骨化症
- 脊柱管狭窄症
- うつ病
答えと解説
- × 関節リウマチ - 誤り。関節リウマチは特定疾病の一つです。
- ○ 白内障 - 正しい。白内障は加齢により多く見られますが、特定疾病には含まれません。
- × 後縦靱帯骨化症 - 誤り。後縦靱帯骨化症は特定疾病の一つです。
- × 脊柱管狭窄症 - 誤り。脊柱管狭窄症は特定疾病の一つです。
- ○ うつ病 - 正しい。うつ病は精神疾患ですが、特定疾病には含まれません。
問題3
第2号被保険者(40歳以上65歳未満)のAさん(55歳)に関する記述として、正しいものを選択してください。
- 交通事故による脊髄損傷で要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。
- 末期がんと診断され、要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。
- 若年性アルツハイマー病(初老期における認知症)と診断され、要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。
- 統合失調症の悪化により要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。
- 脳梗塞を発症し、要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。
答えと解説
- × 交通事故による脊髄損傷で要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。 - 誤り。交通事故による外傷は特定疾病ではないため、第2号被保険者は介護保険サービスを利用できません(障害福祉サービスの対象となる可能性はあります)。
- ○ 末期がんと診断され、要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。 - 正しい。末期がんは特定疾病であり、これを原因として要介護状態になった第2号被保険者は介護保険サービスを利用できます。
- ○ 若年性アルツハイマー病(初老期における認知症)と診断され、要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。 - 正しい。初老期における認知症は特定疾病であり、これを原因として要介護状態になった第2号被保険者は介護保険サービスを利用できます。
- × 統合失調症の悪化により要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。 - 誤り。統合失調症は特定疾病ではないため、第2号被保険者は介護保険サービスを利用できません(精神保健福祉サービスの対象となる可能性はあります)。
- ○ 脳梗塞を発症し、要介護状態となった場合、介護保険サービスを利用できる。 - 正しい。脳血管疾患(脳梗塞を含む)は特定疾病であり、これを原因として要介護状態になった第2号被保険者は介護保険サービスを利用できます。
問題4
特定疾病の選定基準に関する記述として、正しいものを選択してください。
- 加齢に伴って罹患率や有病率が上昇する傾向がある。
- 65歳以上の高齢者において有病率が高い疾患が選ばれている。
- 治癒が困難であり、要介護状態の原因となりやすい。
- 国が定めた難病指定されている疾患と完全に一致する。
- 罹患しても軽快する可能性が高い疾患が中心である。
答えと解説
- ○ 加齢に伴って罹患率や有病率が上昇する傾向がある。 - 正しい。特定疾病は、加齢との関係が深く、罹患率等が加齢に伴い上昇する疾病が原則とされています。
- × 65歳以上の高齢者において有病率が高い疾患が選ばれている。 - 誤り。第2号被保険者の保険料負担の根拠とするため、加齢との関係は重視されますが、必ずしも65歳以上で有病率が特に高いものだけが選ばれているわけではありません。40代、50代でも発症し、要介護状態に至る可能性のある疾患が考慮されています。
- ○ 治癒が困難であり、要介護状態の原因となりやすい。 - 正しい。要介護状態との因果関係があり、その医学的根拠が認められる(罹患すると要介護状態となる可能性が相当程度ある)ことが基準の一つです。
- × 国が定めた難病指定されている疾患と完全に一致する。 - 誤り。特定疾病と指定難病は、一部重複するものもありますが、制度の目的や選定基準が異なるため、完全に一致するわけではありません。
- × 罹患しても軽快する可能性が高い疾患が中心である。 - 誤り。特定疾病は、要介護状態の原因となりやすく、継続的なケアが必要となるような、治癒が困難または長期化する傾向のある疾患が選ばれています。
問題5
「がん」が特定疾病として扱われる条件について、正しいものを選択してください。
- がんと診断された全ての段階が対象となる。
- 医師が医学的知見に基づき回復の見込みがないと判断したものに限られる。
- 手術や化学療法などの治療中のものは対象外となる。
- 早期発見されたがんは対象となる。
- 再発したがんは、進行度に関わらず対象となる。
答えと解説
- × がんと診断された全ての段階が対象となる。 - 誤り。特定疾病の「がん」は、末期がんに限定されます。
- ○ 医師が医学的知見に基づき回復の見込みがないと判断したものに限られる。 - 正しい。特定疾病としての「がん」は、「医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したもの」(末期がん)と定義されています。
- × 手術や化学療法などの治療中のものは対象外となる。 - 誤り。治療中であっても、医師が回復の見込みがない(末期状態)と判断すれば、特定疾病の対象となりえます。治療は緩和ケアが中心となる場合が多いです。
- × 早期発見されたがんは対象となる。 - 誤り。早期がんは回復の可能性があるため、特定疾病の対象とはなりません。
- × 再発したがんは、進行度に関わらず対象となる。 - 誤り。再発したがんであっても、回復の見込みがないと判断される(末期状態)必要があります。
問題6
以下の疾患のうち、特定疾病に含まれるものを選択してください。
- 糖尿病(合併症なし)
- 糖尿病性腎症(透析導入レベル)
- 変形性膝関節症(片側のみ、変形軽度)
- 両側の膝関節に著しい変形を伴う変形性関節症
- パーキンソン病
答えと解説
- × 糖尿病(合併症なし) - 誤り。糖尿病自体は特定疾病ではありません。重篤な合併症が対象です。
- ○ 糖尿病性腎症(透析導入レベル) - 正しい。「糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症」が特定疾病であり、透析が必要なほどの重症な腎症はこれに該当します。
- × 変形性膝関節症(片側のみ、変形軽度) - 誤り。変形性関節症が特定疾病となるのは、「両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う」場合です。片側のみや軽度の変形は該当しません。
- ○ 両側の膝関節に著しい変形を伴う変形性関節症 - 正しい。「両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症」は特定疾病の一つです。
- ○ パーキンソン病 - 正しい。「進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病」が特定疾病であり、パーキンソン病単独でもこれに含まれます。
問題7
Aさん(60歳、第2号被保険者)は、若い頃から悩まされていた腰痛が悪化し、整形外科で「脊柱管狭窄症」と診断され、歩行が困難になり介護が必要となった。この場合について正しいものを選択してください。
- 脊柱管狭窄症は特定疾病であるため、Aさんは介護保険サービスを利用できる。
- 腰痛は加齢によるものなので、特定疾病とは関係なく介護保険サービスを利用できる。
- 特定疾病が原因であるため、介護認定を申請できる。
- 第2号被保険者であっても、原因が特定疾病でなければ介護保険サービスは利用できない。
- Aさんの状態は、障害者総合支援法のサービス対象となる可能性がある。
答えと解説
- ○ 脊柱管狭窄症は特定疾病であるため、Aさんは介護保険サービスを利用できる。 - 正しい。脊柱管狭窄症は特定疾病の一つです。これを原因として要介護状態になった第2号被保険者は、介護保険サービスを利用できます。
- × 腰痛は加齢によるものなので、特定疾病とは関係なく介護保険サービスを利用できる。 - 誤り。第2号被保険者が介護保険サービスを利用するには、原則として要介護状態の原因が特定疾病であることが必要です。
- ○ 特定疾病が原因であるため、介護認定を申請できる。 - 正しい。特定疾病である脊柱管狭窄症が原因で要介護状態となったため、介護認定の申請が可能です。
- ○ 第2号被保険者であっても、原因が特定疾病でなければ介護保険サービスは利用できない。 - 正しい。これは第2号被保険者に関する原則的なルールです。原因疾患が特定疾病であることが要件となります。
- ○ Aさんの状態は、障害者総合支援法のサービス対象となる可能性がある。 - 正しい。介護保険の対象となる場合でも、身体障害者手帳の取得などにより、障害福祉サービスの対象となる可能性はあります。両制度の併用については、利用するサービス等によって調整が必要です。
問題8
「骨折を伴う骨粗鬆症」が特定疾病として扱われる場合の記述として、正しいものを選択してください。
- 骨粗鬆症と診断されていれば、骨折の有無に関わらず対象となる。
- 骨折の原因は問われず、交通事故による骨折も含まれる。
- 脊椎の圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などが原因で要介護状態となった場合が主に想定される。
- 骨折が治癒した後も、骨粗鬆症が継続していれば対象となる。
- 骨折を伴う場合、年齢に関係なく特定疾病として扱われる。
答えと解説
- × 骨粗鬆症と診断されていれば、骨折の有無に関わらず対象となる。 - 誤り。特定疾病の名称通り、「骨折を伴う」ことが必須条件です。骨粗鬆症の診断だけでは該当しません。
- × 骨折の原因は問われず、交通事故による骨折も含まれる。 - 誤り。骨粗鬆症による骨の脆弱性が背景にある骨折(脆弱性骨折)が対象です。交通事故のような強い外力による骨折は、骨粗鬆症が基礎にあっても通常は含まれません。
- ○ 脊椎の圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などが原因で要介護状態となった場合が主に想定される。 - 正しい。脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折などは、高齢者の骨粗鬆症において生じやすく、寝たきりや要介護状態に繋がりやすい代表的な骨折であり、特定疾病の想定するケースに合致します。
- × 骨折が治癒した後も、骨粗鬆症が継続していれば対象となる。 - 誤り。特定疾病は、その疾病が原因で要介護状態にある場合に適用されます。骨折が治癒し、要介護状態が改善された場合は、骨粗鬆症自体が継続していても特定疾病を原因とする介護保険サービスの対象ではなくなる可能性があります(状態による)。
- × 骨折を伴う場合、年齢に関係なく特定疾病として扱われる。 - 誤り。特定疾病は、第2号被保険者(40歳以上65歳未満)が介護保険サービスを利用するための要件です。65歳以上の第1号被保険者は、骨折の原因が特定疾病でなくても、要介護状態であればサービスを利用できます。したがって、「年齢に関係なく」という記述は誤りです。
問題9
特定疾病に関する一般的な記述として、正しいものを選択してください。
- 特定疾病は、法律で16種類が定められている。
- 特定疾病のリストは、医学の進歩等により見直されることがある。
- 第1号被保険者(65歳以上)は、原因疾患が特定疾病でなくても介護保険サービスを利用できる。
- 特定疾病の診断は、介護支援専門員が行う。
- 多系統萎縮症は特定疾病に含まれる。
答えと解説
- ○ 特定疾病は、法律で16種類が定められている。 - 正しい。介護保険法施行令第2条により、16種類の疾病が定められています。
- ○ 特定疾病のリストは、医学の進歩等により見直されることがある。 - 正しい。特定疾病のリストは固定ではなく、社会状況や医学的知見の変化等に応じて、厚生労働省の審議会等で検討され、見直される可能性があります。
- ○ 第1号被保険者(65歳以上)は、原因疾患が特定疾病でなくても介護保険サービスを利用できる。 - 正しい。第1号被保険者は、加齢による心身の変化が原因で要介護(要支援)状態になった場合に、原因疾患を問わず介護保険サービスを利用できます。
- × 特定疾病の診断は、介護支援専門員が行う。 - 誤り。特定疾病の診断は医師が行います。介護支援専門員は、利用者の状態や診断に基づきケアプランを作成します。
- ○ 多系統萎縮症は特定疾病に含まれる。 - 正しい。多系統萎縮症は特定疾病の一つです。
問題10
Bさん(50歳、第2号被保険者)は、重度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断され、在宅酸素療法を開始し、日常生活に常時介助が必要となった。この状況について正しいものを選択してください。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は特定疾病である。
- Bさんは、第2号被保険者であるため、原因に関わらず介護保険を利用できる。
- Bさんは、特定疾病が原因で要介護状態となっているため、介護保険サービスを利用できる可能性がある。
- 在宅酸素療法を利用していること自体が、介護保険サービス利用の要件となる。
- 肺気腫や慢性気管支炎が原因のCOPDも特定疾病に含まれる。
答えと解説
- ○ 慢性閉塞性肺疾患(COPD)は特定疾病である。 - 正しい。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は特定疾病の一つです。
- × Bさんは、第2号被保険者であるため、原因に関わらず介護保険を利用できる。 - 誤り。第2号被保険者は、要介護状態の原因が特定疾病であることが必要です。
- ○ Bさんは、特定疾病が原因で要介護状態となっているため、介護保険サービスを利用できる可能性がある。 - 正しい。特定疾病であるCOPDが原因で要介護状態に至っているため、介護認定を受ければ介護保険サービスを利用できる可能性があります。
- × 在宅酸素療法を利用していること自体が、介護保険サービス利用の要件となる。 - 誤り。在宅酸素療法の利用は、要介護状態の一因や指標にはなりえますが、それ自体が利用要件ではありません。あくまで特定疾病を原因とする要介護(要支援)状態であることが必要です。
- ○ 肺気腫や慢性気管支炎が原因のCOPDも特定疾病に含まれる。 - 正しい。特定疾病としての慢性閉塞性肺疾患には、肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息(重篤なもの)、気管支拡張症(重篤なもの)などが含まれます。